この記事では、「副業を始めたけど、開業届って必要?」「どうやって書けばいいの?」「e-Taxで提出するには?」といった、開業届に関する初歩的な疑問を解決するために、書きながら覚えられるような実用的な内容でお届けします。
■開業届とは?副業・在宅ワークでも出せる?
開業届とは、正式名称を「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、税務署に「私は個人で事業を始めます」と届け出るための書類です。
ポイントは、「収入が出てから」ではなく、「仕事を始める意思があれば出してOK」ということ。
たとえば、以下のような人も提出できます
- 在宅ワークでクラウドソーシングを始めた
- ハンドメイド作品を販売しようと思っている
- ブログやSNSで収益を得たい
この届出は法的には義務ではありませんが、「青色申告特別控除」などの特典を受けるためには提出が必須です。
参考:国税庁|個人事業の開業・廃業等届出書
■開業届の入手と記入の仕方(ステップ解説)
提出方法の比較(郵送・窓口・e-Tax)
開業届の提出方法は以下の3つ:
方法 | 特徴 |
---|---|
窓口提出 | その場で控えがもらえる。税務署に行く必要あり |
郵送 | 控え・返送用封筒・切手を同封する必要あり |
e-Tax | オンライン提出。印刷不要、控えもデータで保存可 |
時間がない人でも、簡単に作り提出できるのでe-Taxでのオンライン提出をお勧めしています。
e-Taxで開業届を提出するには?(e-Taxでの利用開始の方法を含む)
- マイナンバーカードを準備
- ICチップ付きマイナンバーカードが必要
- スマートフォンまたはICカードリーダーの準備
- スマホなら「マイナポータル」アプリ+NFC対応があればOK
- e-Taxソフトを開く
- e-Taxソフトをダウンロード
- 初期設定をする
- 利用者識別番号を取得
- 初回ログイン時に自動で取得可能
- パソコンからマイナンバーを使って利用開始する方法
→参考:パソコンからマイナンバーカード方式の利用を開始する方法
- 必要事項を入力して開業届を提出
- e-Taxソフト上で「個人事業の開業届出書」を作成
- e-Tax(WEB版)にて送信
- 送信後、受信通知と控えを保存
- PDF形式でダウンロードして保管できます
e-Taxソフトで「開業届」の作成・記入の仕方
新規作成
左のメニューボタンから「作成」をクリックし、申告・申請等一覧の左下にある「新規作成」をクリックします。



開業届の内容を記載


内容に間違いがないか確認のうえ、「作成完了」をクリック。
データの切り出しを行う

e-Tax(WEB版)にて電子署名を付与して送信する
ソフトは閉じて、WEB版へログインします。
先ほど切り出したデータ(.xtx形式のもの)を「作成済みデータの利用」から読み込みます。

内容に不備がなければ、
マイナンバーカードにて電子署名をして送信します。
記載項目の説明(一部抜粋):
- 納税地・氏名・電話番号:基本情報を記入
- 職業:自由記述(例:ライター、デザイナー、インスタグラマー)
- 屋号:あれば記入、なくてもOK
- 開業日:仕事を始める日(未来日でも可)
- 事業の概要:シンプルで大丈夫です(例:Webサイト制作、ハンドメイド雑貨の販売、Instagramでの記事投稿・広告作成など)
■保育園・扶養・税金に与える影響もまとめてチェック
- 保活(保育園申請):開業届を提出していれば、就労証明の代替資料として認められる自治体もある
- 扶養の範囲:開業届を出すことで扶養から外れることはないが、所得次第で影響が出る
- 住民税の変動:所得が発生すれば翌年の住民税に影響
■よくある質問Q&A
Q. 屋号は何でもいいの? → 商標登録などがない限り自由に決められます。
Q. 開業日はいつにすればいい? → 自分が事業を始めた、または始めようと思った日でOK。未来日も可。
Q. 開業届を出すと会社にバレる? → 税務署から会社へ連絡は基本的にありませんが、住民税の特別徴収経由で知られる場合があります。
■まとめ:開業届が“未来の自分”を助けてくれる理由
開業届は、「自分はこの働き方でやっていく」という意思表示であり、働く選択肢の幅を広げてくれるものです。
郵送でも、窓口でも、オンライン(e-Tax)でも提出可能なので、自分に合った方法でぜひ一歩踏み出してみてくださいね。
📌 関連リンク:
- 国税庁|開業届の手引き
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