起業する予定の方や、起業して間もない方がもしご存じなければ、ぜひおすすめしたい書籍について。
『独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方38の秘訣/田原広一 著』
日本人の「借金はしない方がいい」という価値観をどんどん変え、融資を通して経営を好循環に導く方法論が凝縮されています。
発刊時期
ページ数
:2021年11月2日
:304ページ
お勧めしたい人

融資って自分には関係なさそうだけど、どのような人にお勧めなの?

起業したての人や起業予定の方は必読です!
資金に余裕がある社長でも、融資についての考え方を変えてくれる一冊として
ご一読されることをお勧めします。
また、個人事業主として開業された方や副業で事業を営まれている方も同様に融資を受けることができますよ。
個人での事業の場合や副業の場合は、「融資を受けられないのでは?」「そもそも融資を受けようと思ったことがない」という方が多いですが、融資を受けることによってさらに事業を拡大する速度を高めることも可能なので、ぜひ検討してみてください。
融資を通して経営を活性化させていく
会社が倒産するのは「借金が多い」からではなく、「現金がない」ときです。
黒字倒産という言葉をご存じでしょうか。
決算書の上では、利益が出ているにもかかわらず企業が倒産してしまうことをいいます。
この大きな要因を占めているのは、「資金繰り」です。
売上は上がっているが、入金が数か月先。仕入の支払いは今月末!
という場合にとりあえず仕入に関する支払いが出来なければ、経営が継続できない状態になってしまいます。
これは売上が順調に伸びている企業がよく直面する課題です。売上がどんどんあがっているのに経営が苦しくなっていくというのは皮肉ですよね。
黒字倒産を防止するためには、まず「手元資金を厚くすること」が肝心です。
本書では、「手元資金を厚くすること」でメリットが他にもあることを紹介しています。
コツコツと自己資金を貯めてきたから、自分は大丈夫、と思われる経営者の方もいらっしゃいますが、融資を受けることで手元資金に余裕を持たせて、さらに事業の発展に向けた投資や人材確保をすることもできます。
融資に対する間違った価値観や無借金経営を善とするマインドを緩めて、
融資を上手に受けながら経営を加速させていこうという考え方を知ることができます。
実例を踏まえて融資の段取りまで教えてくれている
融資の種類
融資を受けたいと思った場合に、どのように融資を受ければいいのか?その手順は?と思われた方も多いでしょう。
本書では、融資を受ける際にどのような種類の融資があるのか、その特徴についても触れてくれています。
まったく初めて融資を受けようと考えられる方は、WEBで検索されることが多いですが、本書内ですっきりまとめられていましたので早く融資の手続きを始めたい方にとってはピッタリです。
手順、段取り、チェックリストまで具体的に載っている
それぞれの融資の手続きのスムーズな進め方や手順、段取りの仕方と融資が下りるまでの大体の所要期間を事例を含めて教えてくれています。
創業時の融資はできるだけ早めに行いたいもの。
必要書類を間違ってしまったり、段取りに手間取るとどんどん時間がかかってしまうため、融資を受ける前にできることから手を付けていきましょう!
融資に通りやすいかどうかを判定するチェックリストもついており、手軽に融資を受けられる態勢が整っているかを判断できます。
融資を軸としているが経営の大切なマインドもちりばめられている
銀行との上手な付き合い方
開業、起業したら色々な経営に関することを調べたり書籍を読んだりされると思います。
本書もその一つですが、特に面白いと思ったのはそれぞれの専門家との付き合い方についても触れている点でした。
会社経営をしていく上では、銀行との関係は切っても切れないもの。
銀行と融資を通してどのように信頼関係を築いていくか、そもそも銀行とどのように付き合っていけばよいのか…をアドバイスしており大変有益です。
また、銀行の種類によっても融資に対する考え方が異なり、比較してくれています。
顧客のみならず事業に大いに関係する銀行や税理士、サポート機関と良好な関係を持つこと。
困ったときに助けてくれる関係者を増やし、自分の会社にとって害があるかもしれない人を見極めること。
知識だけでなく、このような人脈を作ることが経営者としての嗜みに通じるのでしょう。
創業2年で3行の銀行から融資を引っ張るべきワケ
創業融資のみならず、創業後の2年間で複数の銀行と融資を進めるべきであると著者は言っています。
創業期の社長にとって目まぐるしい現在の状況を収拾することで手一杯になっている方も多いと思います。
融資を受けるためには、会社の状況をしっかりと把握し、銀行という第三者に説明できなければなりません。
創業2年で3行の銀行から融資を引っ張るべき理由についてはネタバレになってしまうのであえて伏せますが、長期的な展望を描いてくれていることで現在の経営がどのように将来へつながっていくのか、そのために今やっていることは正しいのか?を見つめなおす機会になります。
まとめ
創業期の経営者に向けた書籍『賢い融資の受け方独立開業から事業を軌道に乗せるまで 賢い融資の受け方35の秘訣/田原 広一』を紹介しました。